[0135]最近の測定事例より

2017年10月〜2018年2月まで

複数のメーカー様の依頼がありハイテン材および普通鋼の深絞り成形品の残留応力を3000点以上測定しました。

    • 最終形状は同じでも応力分布が全く違い場合があることが判明しました。

    • 一部品あたり0.5mmピッチで数十点測定すると様々なことがわかることが判明しました。

    • 圧延方向で応力に差がある鋼種とそうでない鋼種はあることが判明しました。

    • メッキ層があっても測定はできるが、バラツキが大きくなることが判明しました。

    • コーナー部分は、X線の入射角度が稼げない部分で絶対値の精度に疑問があるものの、それ以外の部分はある程度の精度で測定ができ、様々な条件での比較ができることが判明しました。

複数のメーカー様の依頼がありSUS303類のバネの応力を測定しました。

    • 元来は、オーステナイト系であっても強度を増すために(たぶん)マルテンサイト系になっていることが判明しました。

複数の依頼者様の依頼で粗大結晶粒の発生した溶接部近傍を応力を1000点以上測定しました。

    • 粗大結晶粒があると測定の標準偏差が増大し、分布測定の際に測定値が大きく変動しますが、再現性は悪くなく、また、溶接や熱処理での応力変化は測定できることが判明しました。ただし、細かく分布を測定する必要があります。

    • また、応力の線型性を利用して溶接や熱処理での応力変化をより正確に測定する方法を考案しました。

キレツが発生した部品では、キレツ近傍では、応力が解放されていると信じている方が多いのですが、少なくともキレツから2mmの場所では、高い引張応力が残っている事例があることが判明しました。つまりキレツの近傍では、必ず応力が解放されているわけではなく、それは応力の発生原因によります。

守秘義務により詳細をお答えすることはできませんが、ノウハウとして当社にありますのでご依頼の際に当社からの提案の内容に反映されます。