[0168]oldshotpeening

X線残留応力測定センター info@x-rsmc.com は、鋼とアルミを対象に安価かつ短納期の応力測定サービスをご提供しています。

その中でもショットピーニング、ショットブラストをはじめとするピーニング 後の応力分布測定は、ご要望の多い測定です。ポイントは、キレツが進展する深さで十分圧縮応力が確保されてるかどうかです。

    • 疲労寿命を一定以上にするのが目的で、材料やピーニングの条件を変えながら目的の深さでの圧縮応力を測定して最適な条件を見つけるのが解決方法です。

    • ショットピーニングは、圧縮応力の深さをショットピーニングの材料の粒径から推定できます。

  • 微粒子ショットは、表面が最大の圧縮応力となります。微粒子ショットでもキレツ発生の抑制効果が認められます。

    • 通常のピーニング では、圧縮応力のピークが表面下50~100μmの場合に疲労破壊予防効果が高いとされていましたが、最近は微粒子ショットが増えており、その場合は、もっと浅い位置でのピークになります。

    • 表面研磨とショットピーニングでは、表面の応力はほぼ同じでも疲労寿命が違います。

    • 残留応力と疲労寿命の関係を参照ください。

電解研磨表面を除去しながら深さ方向の分布を測定する場合は、

  1. 摩耗時のシミュレーションであれば、電解研磨領域を十分広くとればうまく測定できます。

  2. 内部応力を知る場合には、表面除去による残留応力分布の補正が必要です。ただし、全体の深さ(長さ)に比べて電解研磨の深さが十分小さい場合は補正が小さくなり必要がありません。電解研磨の補正式を計算してみました。を参照ください。

  3. 深さ方向の応力の勾配が大きい場合は、X線の入射角度により応力が変わります。

  4. 表面が最大の圧縮場で内部へ向かって減衰する場合は、入射角度ψ0が小さな場合は、圧縮応力が小さく、入射角度ψ0が大きな場合は圧縮応力が大きくなります。

  5. cosα法とsin2ψ法の応力値が違う場合のB.応力勾配がある場合を参照ください。

詳細は、お問合せフォーム または メール mishima@x-rsmc.com にてお問い合わせください。

011:ショットピーニング

円筒形のΦ15mmのサンプルを全面電解研磨してショットピーニング(微粒子)の応力を測定しました。約5μm刻みでの測定をしています。表面は-1400MPa(圧縮)ですが、内部は急激に緩和しているのがわかります。最新の研究では、特に初期のキレツの抑制に効果があるそうです。

当社開発の電解研磨装置使用です。

このような電解研磨をしながら測定する際には、電解研磨で除去された層の影響を計算する必要があります。

電解研磨を繰り返して得られる応力は、電解研磨した層があった時の応力分布と変わるはずですがどのくらい変わるのか計算してみました。

サンプルは、Φ15mmX20mmの円筒形で表面は、-1600MPaで深さ40μmで応力が0となると仮定します。

修正 -1600MPa (圧縮)です。

計算結果 電解研磨した時の実測値に対する補正量です。

補正量は、最大 6.4MPaで、これなら実用上補正は必要ありません。

計算をしてみると表面40μmに入っている強烈な圧縮応力をサンプル20mm全体でバランスしているので補正量は非常に小さくなります。

応力が入っている部分対入ってない部分の比が1:500なので補正量もマイルドになります。

出典

Residual Stress

Measurement by Diffraction and Interpretation

Dr. Ismail C. Noyan, Prof. Jerome B. CohenISBN: 978-1-4613-9571-3

P206-207 に 6.9 Corrections for Layer Removal

通常のショットピーニングSP では、降伏応力の50%程度の圧縮応力が入りますが。粒径の違う2種類のショットを使うDSP、引張与圧を入れた状態でDSP

006:電解研磨による深さ方向の残留応力分布

鋼種 NAK55 0.2%耐力981MPa

フライス盤加工(F)とワイヤー放電加工(W)の深さ方向の残留応力分布を測定してみました。試験片は、ムソー工業株式会社殿に提供していただきました。

切断は、引きちぎるので多くの場合に大きな引張応力が発生します。

フライス加工面は、加工痕残っており測定の方向XYにより応力差が認められます。

加工によると思われる応力が深さ100μm程度まで認められます。

ワイヤー放電加工面は、測定の方向により応力差がほとんどありません。また、高温で溶かして切断するので変化する応力範囲がプライスと比較して狭い、浅い範囲しか影響がありません。

このような応力情報が得られると望ましい応力分布にコントロールすることが可能になります。例えば残留応力のない試験片を作る場合は、

  • 電解研磨や化学研磨により加工層を削り取る。

また、表面が圧縮の試験片を作る場合は

  • 圧縮応力を付加する機械研磨により表面の引張応力を圧縮に変える。

+:圧縮応力 -:引張応力