[0130]応力測定試験体の作成ガイド

試験体の作り方

鉄鋼材料の選び方

国内のきちんとしたメーカーのミルシート付きを選んでください。長年高炉メーカー製造の鋼材の応力を測定してきましたが、それはX線的にも綺麗なものでした。狭い半価幅にシャープなピーク、粗大結晶はなく、標準偏差も小さいものでした。一方市場から購入した鉄は、X線的にもきたない、誤差が大きいものがあるようにに思われました。

鋼材の規格は、製造に有利にできていますので、規格がかなりゆるいのです。つまりかなりひどい材料でも、規格はパスしています。残留応力の規定、粗大結晶粒制限等は全くありません。しかし大手需要家向けは、規格をはるかに超える品質を保っています。なぜならいままでと違う残留応力が残って整形がうまくいかなかったりするとすぐにクレームになるからです。ただし、一般の人にはこのような紐付き材料を購入するのは難しいので、せめてミルシート付きの身元がはっきりした材料を購入してください。

溶接する際の注意

溶接がへただと大きな溶接の引張応力が発生しない場合があります。拘束条件によっても発生する引張応力が変わります。溶接の順序によっても変わります。模擬する構造体と同じ条件で溶接を行うことが大切です。