[0090]荷重の繰返し回数が1万回以上は高サイクル疲労

 荷重の繰返し回数が1万回以上は高サイクル疲労といい,寿命が残留応力の影響を大きく受けます。

 繰返し応力と破壊する回数 S-N  線図 (試験体の場合)

  • 引張試験で1回力を加えると壊れる応力を引張強さと呼びます。これを振幅100とします。これから応力振幅を指数で表します。たとえば、使用する材料の引張強さが500MPaの場合は、指数を5倍して考えてください。
  • 1万回応力を加えると壊れる応力は、だいたい降伏応力に一致します。
  • 1万回未満で壊れる低サイクル疲労の場合は、塑性変形と伴いながら破壊していくので初期の残留応力の影響は小さくなります。
  • 1万回以上高サイクル疲労の場合は、弾性域内なので初期の残留応力引張の場合は壊れやすく圧縮の場合は壊れにくくなります。
  • したがって荷重の繰返し回数が1万回以上の場合は、残留応力を圧縮側に変化させることに寿命を伸ばすことが可能になります。
  • ここで説明するのは基本的な事項なので実際には、降伏応力は、50から90まで鋼種、熱処理によって変わりますし、疲労限も40−50変わります。適宜読み変えてください。図も今は、数字等統一されていません。少しづつ修正していきます。細かなところが気になる方は、教科書等を参照ください。
  • 実験で確かめる場合の応力測定は当社にご用命ください。


この応力(Stress)と破壊する繰返し回数(N)の関係を示す線をSN曲線(S-N線図)と言います。
S-N曲線は、応力集中があると下へ(応力)が小さい方へ移動します。
また、引張りの残留応力があると下へ(応力)が小さい方へ移動します。ただ、外部からの応力が大きい場合は、初期の残留応力の影響は大きくありません。外部からの応力が小さいほど影響を受けます。また圧縮残留応力がある場合は、上へ(応力)が大きい方へ移動します。

引張残留応力が大きく応力集中のある溶接継手では、S-N曲線は、かなり下がります。疲労限を比較します。JSSCの指針では、板の場合は、強度等級Aで疲労限は、190MPaですが、面外ガセット継手だと溶接ままで強度等級Gで50MPaに下がってしまいます。しかも、50MPaは、鋼材の強度があがっても低いままです。

疲労において寿命が短くなって壊れてしまうのでどのような原因でしょうか?それは、
  1. S−N曲線が設計より下がってしまうために破壊までの応力付加回数が少なくなる。
  2. 外部からの応力が設計より上がってしまうために破壊までの応力付加回数が少なくなる。

S−N曲線が設計より下がってしまう場合とその調査方法

  1. 材料の強度が設計値より低くなる。
    1. 材質が設計と違い強度が低下する 化学分析で成分を測る。引張試験、硬度測定を行う。
    2. 組織が設計と違い強度が低下する 組織観察で組織を確認する。
    3. キズ、介在物等があり材料内部で応力集中がおきる。探傷試験を行う。
  2. 設計より応力集中が大きくなる。
    1. 形状が設計と違うために応力集中が大きくなる。外観検査、形状測定行う。X線で応力を測定する。
    2. 表面の性状が粗いために応力集中が大きくなる。粗さ測定を行う。

外部からの応力が設計より上がってしまうの調査方法

X線で応力を測定する。ひずみゲージで応力を測定する。

当社で対応できない部分はご紹介しますのでお気軽にご相談ください。

関連の講演をします。

2018年11月2日15時開始

題名『壊れないものづくりのための応力測定と応力改善策』

依頼元 東工大横浜ベンチャープラザ
会 場:東工大YVP 2階会議室 神奈川県横浜市緑区長津田町4259-3
東急田園都市線 すずかけ台駅から 650mです。
基礎編をほとんど式無しで説明します。
興味のある方は、連絡ください。内容へのご質問もどうぞ。



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