[0099]応力による問題解決に仮説推論を使う

仮説推論( アブダクション)

P 観察される現象または測定値 p1 p2 p3

A 仮説 検証はされていない 観察される現象の原因 a1 a2 a3

D 仮説から推定される現象 d1 d2 d3

A→D

N 同時に成立しない仮説の組合せ

A 仮説(複数)から D推定される現象 が P観察される現象または測定値と矛盾しない Aの集合が原因と推定される。

P溶接した付き合わせ溶接試験体板が曲がっている

P

例 熱処理後薄い板0.3mmだと曲がるが厚い1mmとだと曲がらない。原因は何か?

事実 熱処理後薄い板0.3mmだと曲がる。厚い1mmとだと曲がらない。

仮説 a 0.3mmも1mmも断面方向に均一に応力が発生する。→ 0.3mmも1mm同様の形状 したがって 仮説aは成立しない。

仮説 b 0.3mmも1mmも表面から応力が発生する。さらに発生層は板厚みに比例していない。→ 0.3mmが1mmよりも曲がるはず したがって 仮説bは成立する。

熱処理に関する事実

100度で25%の応力が抜ける。 時間 1時間/25mm

200度で50%の応力が抜ける。 時間 1時間/25mm

450-600度で100%の応力が抜ける。 時間 0.5時間/25mm 冷却速度 200度C/h以下

引張応力 酸洗 水素脆化割れ

焼き入れ後のワレ 応力集中部でスパット 250度以下 破面が白い 油や水が染み込み

焼き入れ後のワレより事前のワレが焼き入れ後の見つかる 火造りわれ スケールあり

焼き入れ後のワレより事前のワレが焼き入れ後の見つかる破面がギラギラ オーバーヒート 材質不良

焼き戻し後 破面にテーパーカラー 焼き割れ

焼き戻し後 破面に黒皮やスケール 事前われ

焼きワレは、結晶粒界ワレ

ワレの周辺にフェライト 加熱中の脱炭ワレ

ワレの周辺に介在物 介在物われ

ワレの先端がシャープ 焼きワレ 丸み 違うワレ

加工応力がひずみになる。

早く冷えたほうが凸 Hot side is short side

研削仕上げ 研磨やけ 応力は引張 研磨熱で1300度以上

対称性の仮説

一様性の仮説

応力腐食割れ← 表面の引張応力+腐食環境+時間