[0176 測定例 ]切断方法の違いと残留応力
X線残留応力測定センター mishima@x-rsmc.com は、鋼とアルミを対象に安価かつ短納期の応力測定サービスをご提供しています。
測定値の解説のための情報をお客様にご提供します。
X線回折を用いた応力測定は、鋼の極表面 深さ数μmの範囲の応力を測定します。
電解研磨による深さ方向の残留応力分布
鋼種 NAK55 0.2%耐力981MPa
フライス盤加工(F)とワイヤー放電加工(W)の深さ方向の残留応力分布を測定してみました。試験片は、ムソー工業株式会社殿に提供していただきました。
切断は、引きちぎるので多くの場合に大きな引張応力が発生します。
フライス加工面は、加工痕残っており測定の方向XYにより応力差が認められます。
加工によると思われる応力が深さ100μm程度まで認められます。
ワイヤー放電加工面は、測定の方向により応力差がほとんどありません。また、高温で溶かして切断するので変化する応力範囲がプライスと比較して狭い、浅い範囲しか影響がありません。
このような応力情報が得られると望ましい応力分布にコントロールすることが可能になります。例えば残留応力のない試験片を作る場合は、
電解研磨や化学研磨により加工層を削り取る。
また、表面が圧縮の試験片を作る場合は
圧縮応力を付加する機械研磨により表面の引張応力を圧縮に変える。
+:圧縮応力 -:引張応力