[0061]オーステナイト系ステンレスSUS304 の応力測定上の問題点

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オーステナイト系ステンレスSUS304をCr管球で測定する際の注意点

  1. フェライト等のKα線を使用する場合に比べてオーステナイトは、Kβ線を使うのでX線強度が1/10になります。ノイズやバックグランドの影響を受けやすく誤差が大きくなります。
  2. 加工誘起変態で一部がマルテンサイト化するのでマルテンサイトとオーステナイトの回折ピークが並立して応力の計算がうまくできない、誤差が大きい場合があります。
  3. SUS304は、加工硬化によりかなり硬くなります。そのため測定された応力値が0.2%耐力より大きな数字が出る場合があり、測定の信頼性を疑われる場合があります。
  4. フェライトより回折角が小さいので回折環が開いた状態になりより測定面と近づける必要があります。継手の形状によっては、溶接部分の応力測定が困難な場合があります。
 したがって現場測定の場合は、同じ材料で同様に作成した簡易構造試験体(継手の形状はできるだけ同じ)でお試しの測定をしてから、測定の可否、精度を確認してください。

SUS304構造体の応力測定例

SUS304は、加工硬化が著しい材料ですのでピーニングの圧縮応力はかなり高くなる場合があります。



SUS304 重ね継手溶接部測定 

次は、条件が悪い例です。 SUS304は、①より強度の低いKβ線を使う ②グラインダーやピーニング等によりαFeのピークが発生して、αFe、βFeのピークが並列する等で測定値がなかなか安定しません。点数を数多く測定することにより、異常値を取り除くことができます。

溶接線から2mmの測定 各種図 
グラインダー加工がされていないため比較的 βFeピークのみが認められる比較的安定した結果になっています。ただ、近傍の圧縮応力により溶接部近傍にもかかわらず圧縮になっています。

溶接線から5mmの測定 各種図 
グラインダー加工によるαFeピークが発生して応力値も圧縮になっています。




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