[0132]残留応力測定による品質管理

先日ヨーロッパのX線応力測定機器の会社の方とお話することがありました。今年はこれまでで最高の売上を記録するとのことでした。欧米中では、主にグラインダー等の加工の品質管理に使用されているようです。特に中国では日本の何十倍も機器が売られているようです。

日本製の鋼材は、品質が高く安定しているので今は残留応力測定による品質管理の必要性が少ないのかもしれません。しかし、製品に対する要求や使用条件が厳しくなるにしたがって残留応力による品質管理が必要になってくると考えます。また、輸出に際には測定が必要となることも考えられます。

品質管理を始めるには、まず、データの蓄積が必要です。どの工程のどの場所をどんな条件で測定すべきか正常品と異常品を集めて試行錯誤が続きます。

この作業を自社でやることもいいのですが、当社のような測定専門会社と一緒にやると時間の短縮になります。時間と知見、ノウハウをお金で買うわけです。専門会社も積極的にノウハウ開示するわけではありませんが、だんだんわかってきますし、色々アドバイスももらえます。複数の専門会社に発注するのもいい方法だと思います。専門会社もその生い立ちから得意な分野があるからです。

データが蓄積されると残留応力測定が本当に有効かがわかってきます。有効な場合は、測定の頻度が上がってきて測定会社に支払うお金が増えてきます。設備費用、測定用の人員を確保教育するコストを考慮しても設備を買った方よいとなった時に測定機器を購入します。

でもここは慎重に、「全部測定できます」と言って高額な設備を買ったけれどやっぱり測定できないので専門会社に依頼しますというのは、かなり言いにくい場合があります。

成分、硬さや組織と同じように残留応力も工程ごとに測定してみるのはどうでしょうか? 特に問題になりそうな部分の表面残留応力を正常値としてあらかじめ測定しておけば異常があった時にどこで発生したのかを切りわけることができます。

熱処理と研磨加工をしている自動車部品工場があるとします。
A.素材受入時残留応力測定
B.熱処理後の応力測定
C.研磨後の応力測定

例えば、自動車部品を納入した先で検査したところ寸法精度がでていない。応力を再測定すると正常値ではない。残念ながらこの異常品の熱処理後の応力測定と素材受入時残留応力測定を推定して、問題が発生した工程を特定することは難しいのですが、現在製造中に部品を抜き取り検査して測定することにより現在の製造を中止すべきかどうかの判断材料になります。

あと数年で残留応力を1秒以内で測定する機器も登場しますので、そうなると各工程全数検も可能になると考えます。

まずは、正常時の残留応力測定データを収集する。どうでしょうか?

Comments