[0039]応力だけでないX線回折環(デバイ‐シェラー環)の情報

X線残留応力測定センター info@x-rsmc.com は、鋼とアルミを対象に安価かつ短納期の応力測定サービスをご提供しています。
測定のご依頼をされるお客様へX線応力測定時に観測されるX線回折環(デバイ‐シェラー環)の持つ情報について解説します。当社のウェブサイトは、競合他社も多くご覧になっているので載せられない情報があります。測定をご依頼のお客様は直接ご相談ください。
X線回折環(デバイ‐シェラー環)の現象そのものに関しては、ネット上に優れた記事がありますのでそれを参照ください。
X線回折環は、特定の方向を向いている結晶によって起こる回折現象の集積です。したがって、応力の情報( X線応力測定の原理参照 )の他にも結晶粒の大きさの分布に関する情報、配向性に関する情報、転移に関する情報、合金に関する情報が含まれています。

このような情報をご提供してお客様の問題解決をサポートするのも当社の機能です。

下図は一般的な軟鋼の表面のデバイ環です。
これがハイテンなるとデバイ環の幅が広くなります。結晶粒が小さくなり強度が増したためです。X線強度のばらつきも小さくなっています。つまり結晶粒の大きさも均一になっています。

軟鋼に冷間で強加工を加えると配向性が出てきます。


次はステンレスです。合金成分によるものと推定される乱反射で全体的にぼやっとした感じになります。
先ほどの状態で外部から加工を加えると内側に加工誘起マルテンサイトのピークが出現します。
アルミニウムの研磨後です。アルミの結晶粒は、本来粗大化しやすいのですが、研磨でそれを潰しているので、結晶粒の大きさが一定になっています。それでデバイ環でもX線強度が一定になっています。

少し電解研磨すると内部は結晶の一部が粗大化していてX線の強度がばらつきがデバイ環が凸凹になっています。
また、薄い板やメッキ等は配向性が出現しやすく。一部の方向のみX線強度が高くなります。

デバイ環の情報が問題解決に役に立った例。

  • 膜にき裂が生じる。き裂が生じたサンプルと生じなかったサンプルの応力測定を実施。ところが応力以前にデバイ環の様相が全く違うことが判明。膜自体の分析を先に行うことになった。
  • 材料が変形する。一部の材料に加工誘起マルテンサイトが認められ、それが変形の原因でないかと推定された。
  • ハイテンの場合は、結晶粒径を小さくしたハイテンなのか、合金系のハイテンなのかがわかります。


仮説 [集合組織][炭素鋼][アルミ][ステンレス][粗大結晶]
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